過去の技術革命から予測する我々の未来

情報革命を産業革命と電力革命に相対化した表を作ってみた。*1
革命のきっかけとなった技術を、それぞれ「ワットの蒸気機関」「ボルタの蓄電器」「エイケンのHarvard Mark I」とする。多少、我田引水の感があるのは自覚しているが、誰かの再検証や反論、ご指摘などが、再考察のきっかけになれば、と思う。

これを見ると、偉大な発明からだいたい40〜60年後に大きな技術革新があることがわかる。もちろん、前回のエントリで言ったことだが、それらの技術革新が生まれた瞬間、一夜にして世の中がひっくり返るわけではない。技術が人々の生活に浸透し社会がその様相を変えるには、さらに数十年の時間がかかる。そしてその間に、全く新しい未知の産業やシステムが生みだされていくのである。

経過 西暦 産業革命 西暦 【電力革命】 西暦 【情報革命】
      1660 摩擦起電機の発明 1805 パンチカードによる織物機
  1698 セイヴァリーの蒸気機関 1733 電気の正負を発見 1837 チャールズの解析機関
  1712 ニューコメンの蒸気機関  1746 蓄電びんの発明    
発明 1769 ワットの蒸気機関 1782 ボルタのコンデンサ 1944 エイケンのHarvard Mark I
          1949 ノイマン型コンピューターEDSAC
10年            
  1785 紡績機/円運動転換成功        
20年     1800 ボルタ電池 1964 DECのPDP-8
      1807 アーク放電灯 1969 ARPANETの開発
30年            
  1804 蒸気機関車の発明        
40年 1807 蒸気船 1825 シリングの電信機 1984 Macintosh
  1814 ティーブンソンの蒸気機関車     1986 NSFNetの開発
50年         1995 インターネットの誕生/Windows95
      1837 モールス信号 1999 iモード
60年 1829 鉄道の創業 1839 クックの電信事業 2005 WEB2.0の発展
      1845 モールスの電信事業    
     
      1876 ベルが電話を発明    
100年 1869 大陸横断鉄道の開通 1879 エジソンが電球を発明    
      1886 交流変圧器の開発    
     
150年 1916 米、鉄道路線長ピーク 1930代 米、中都市の電気普及率ほぼ100%    
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ところで、カリフォルニアにおける“大陸横断鉄道後”の産業発展の歴史に関しては、前回でも紹介した「ゴールドラッシュの「超」ビジネスモデル」が詳しい。ゴールドラッシュから現在のシリコンバレーに至るアメリカ西海岸の歴史を、ビジネスモデルという視点から綴った良書である。
著者のサイト(こちら)から、本の元となった連載が全部読めます。

*1:本当はグーテンベルクの印刷革命も入れたかったが、「42行聖書」と「ルターのドイツ語聖書」くらいしかポイントがないのでやめておいた。ちなみに「42行聖書」が印刷されてから「ドイツ語聖書」が出版されるまで約80年くらいである。