おまけメモ:演繹法と帰納法による犯罪捜査プロファイリングの例

  • 若い女性の死体が深夜の山中で見つかった。
  • 遺体にはロープで縛った跡と刃物で刺された跡があった。
  • 近くに血痕はなかった。
  • 近くにタイヤの痕があった。
  • 演繹的推理(理屈)

近くに血痕がないことから女性は別の場所で殺され、現場に捨てられたのだろう。
タイヤの痕があるということは犯行には車が使われている。
縛った痕から通り魔的に刺されたわけではなく、拉致されて連れまわされた可能性が高い。
→タイヤ痕の分析と拉致の目撃情報にあたれ。

  • 帰納的推理(データ)

若い女性が殺され山中に捨てられる事件の60%は顔見知りの犯行だ。
さらに女性を縛ってから殺す手口は90%が知人の犯行である。
死体遺棄事件に使われる自動車はワンボックスが多い。
→被害者の交友関係でワンボックスを所有したものはいないか洗え。


非常に単純化された例ではあるが、これを見れば演繹、帰納、どちらの方法だけでも捜査に穴がありそうだ、と感じるだろう。
物事を考える際には、演繹法帰納法両方の手法を用いて問題に当たった方が良い。
ビジネスにおける大規模なプロジェクトなどの場合は、チームを演繹チームと帰納チームにわけ、コンペあるいは意見のすりあわせをすると良い。