今日びの若いやつが飲み会に行かない理由


いくら誘ったって飲み会にも来ない人は、そもそも普通の人じゃないんですよ。普通じゃない人です。


若いやつが飲みに行かないっていう話。新年度だしね。
そういえば以前、若者の飲酒事情に関して調べた記憶があるな〜、と思ってHDDの中見たらあった。結構古い記事ですが、以下に転載。今読むと、なるほど、昨今話題の「ケータイ文化圏」にも通じるトピックスだし、もう一回整理して考える必要はある感じがしました。
ちなみに、私自身は誘われれば毎日でも飲みに行きます。

最近の若いヤツは…酒を飲まないのだ 酔っぱらいはダサい!?(asahi.com BE※元記事消失)

宝酒造の森辰吾ソフトアルコールグループ長が解説する。「男のタテ社会にいると、『まあ飲んでみな』と勧められて経験を積み、ビールの苦みもうまく感じるようになる。でも今の多くの若い人たちはタテ社会に組み込まれるのを避けがち。女性が主導権を握るヨコ社会に心地よさを感じる。自然と口に優しい甘い酒の方に人気が集まる」
(中略)
収入が減る一方、携帯電話やインターネット、ゲームなど、娯楽は多様に。酒への出費は減らざるを得ない。ただ、博報堂生活総合研究所の原田曜平研究員は、単純な金銭問題より、彼らの行動様式と価値観の変化を重くみる。
酒の三つの効用を必要としなくなったというのだ。三つとは、(1)仲間との連帯感を深められる(2)自分を忘れてバカになれる(3)ストレスを発散してリフレッシュできる。
(1)は携帯電話やメールの普及で人間関係が広く浅くなったこと、(2)はネット仮想空間の発達で酒の力を借りなくてもバカになれるようになったことが理由という。
(3)は、根が深い。酒を飲んで日ごろの留飲を下げられるのは、経済が右肩上がりの年功序列社会で、今を耐えれば将来は良いことがあると思えたからだ。それがもはや通用しない。こうなれば会社などのタテ社会のストレスに耐える気もなくなる。逆に酒を飲んだところでストレスは解消されず、リフレッシュにもならない。

酒飲んでクダを巻くより、ネットで騒いでいるほうが楽しいということですね。まあ、これは、わかります。私は毎日飲みますが、ネット見ながら飲むことが多いし、確かにそういうネット上のコミュニティは多い気がする。
ネットは与太話をする場としてすごく気楽だし、家で飲めば安いし、車の心配はいらないし、切り上げたくなったらすぐやめて寝れるし。


減少する酒の消費――脱・アルコールに舵を切る飲食店(後編)(日経BP net)

「最近の若い社員は酒を飲まなくなった」という中高年社員の嘆きをよく聞くようになった。終業後に一杯誘っても平然と断るし、部署全体の宴会も嫌がる若手社員が増えて中止に追い込まれた、という話も少なくない。
年代別で最も飲酒率の高いのが40代男性で、常に90%前後を維持している。一方、20代の男女の飲酒率はここ10年ほど下がり続け、70%前後にまで落ち込んでいる。つまり、20代のほぼ3割はお酒を飲まないことになる。
現代の若者事情に詳しいシブヤ経済新聞の西樹編集長は、「コミュニケーションの手段が大きく変わったことが背景にある。昔は相手と腹を割って話すのにお酒を介在させるしかなかったが、今は携帯メールなどのメディアが発達し、酔わなくてもコミュニケーションできるようになった。また、酔っ払うことが格好悪いという意識も強まり、カフェなどでお酒を飲まずに人と話をするようになっている」と指摘する。

酔っ払いが格好悪いって言うのもわかる。居酒屋で大騒ぎしながらイッキとか、まあ確かにエイティーズな風景かもしれない。

「酒飲み」減った?最近の若者 上司より友達優先、礼儀や適量知らぬまま(YOMIURI ONLINE 大手小町)

キリンビールの調査(2004年)によると、20歳代の男性(対象は約300人)が最も好む酒はビール・発泡酒で47.6%だが、10年前と比べて6ポイント減少した。増えたのは、サワー(焼酎などをジュースなどで割ったもの)、酎ハイ(焼酎の炭酸飲料割り)などの「低アルコール飲料」で、3.9%から26.6%に。日本酒やウイスキー、ブランデーなど、アルコール度数の高い酒の人気は落ちている。

「飲みやすい甘めのお酒を好む若者が多いのでは。ビールなどの苦いお酒は、ある程度飲む経験を積み重ねないと好きにはなれないですから」と同社広報担当の吉田聡子さんは話す。


最近の若者は「とにかく早く結果を求める」という傾向があるのはよく指摘されますね。彼らは、なにより効率を重視しています(このことは私は美徳だと思うのですが)。

彼らは、特に娯楽や余暇の過ごし方にはシビアで、彼らは娯楽や余暇の過ごし方に「努力」なんぞ必要とは考えていません。考えていないっつーか、もう理解できない。
この傾向は、酒が甘低飲料にシフトするのと同様、他の娯楽にも表れていて、例えば、スキーとかスノボもブリブリ若者離れを起こしてますが、その時しか使わない道具一式揃えて、何時間もかけてスキー場に行って、寒い中リフト乗って、コケたりしもやけになりながら練習して、滑れた、ああ楽しい、とか「なんの罰ゲームだよwwwwwwwwww」っつーそんな感じですかね。
(あと、まあ、ゲームがヌルゲー化してるとかもそうかも。ゲームはイマイチ知らないんだけど、詳しい人考えて教えてください)

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と、まあ、そんな文化圏の住人に飲み会をスルーする人たちが多いのは当然ですね。有り余る選択肢が用意された中でなんでわざわざシンドイものを選ばないといかんのか、しかも金払って、という風に考えてしまう(というか無意識に流れる)のは、これはしょうがない。人間は誰だってそうです。
“The Economics of abundance”下では社会はカジュアル化していくのだと思うわけです。

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あと、メモの中に一緒にあったオモロイ記事。(おまけ)

ドリンクは「お冷や」「お茶」のお客が増えている?(とある学生街など)(日経レストラン ONLINE)

「人数分に切ってください!」と頼まれた店主さんは、8つにカットし、丁寧にお皿に盛り付けてからテーブルへ。
そして「お飲み物は何になさいますか?」と、幹事らしき青年に尋ねました。
すると、「あ、水で」と、きっぱり。
かたまる店主さん(と、私とカメラさん)。

伝統のワインから遠ざかる若者たち(月刊 酒文化)

若者が上の世代の人間のように酒を飲まなくなったことも見逃せない。イタリアの中高年者はワインなしでは食事ができない人が多いが、若者はビールやコーラを飲んでしまう。若者の間で消費されているアルコールの調査によると、ビールとスーパー・アルコールが人気である。

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以上、またなんか思いついたら書く。